解体工事のときの電気とガスの扱いは?停止・撤去の手順と絶対にしておくこととは

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解体工事を行って建物がなくなってしまうということは、当然その前に電気やガスなど「ライフライン」の停止を行っておかなければならないですよね。

しかしそれは一体いつ、どのように手続きを進めたらいいのでしょうか。

また、ライフラインといっても電気・ガス・水道…さまざまあります。すべて同じ対応でいいのでしょうか。

今回は解体工事前のライフライン停止手続きにおいて、特に注意が必要である電気とガスについて詳しく見ていきましょう。

解体工事のときライフラインはどうなる?

ライフラインは別名「インフラ」とも呼ばれるもので、たとえば電気・ガス・水道・電話・インターネット・ケーブルテレビなどの日常生活において欠かせない基盤や設備のことをいいます。

災害時を想像してみるとわかりますが、普段はこのライフラインが機能しなくなると、まともな生活を営むことすらできなくなってしまう重要な存在ですが、解体工事を行う際は建物自体をなくしてしまうため、ライフラインも当然いらなくなります。

そのため、「供給を停止してください」と各業者に連絡するわけですが、その際に特に気をつけなければいけないのが電気とガスです。これらは扱いをひとつ間違うと重大な事故につながってしまうからです。

たとえば、電気は止めるだけで電線を撤去しておかなければ、解体工事の最中に重機が電線を引っ掛けて切ってしまったり、電線に作業員が触れてしまったりして、感電や周辺住宅の停電という事故を起こす可能性があるからです。

ガスも同様で、ガス管が残った状態で重機が破損させるなどで、最悪な場合、死者が出るような重大な事態を引き起こす可能性があるのです。そのため、電気とガスの停止・設備の撤去は、施主として責任をもって必ず行わなければならないことなのです。

電気を停止する手順

前述したように、電気とガスは「供給の停止」だけではなく「設備の撤去」も必要となります。

まずは電気について、「電気の供給を停止する」「電気設備を撤去する」「電気配線を撤去する」という3つの手順をきちんと進めていきます。

電力会社に連絡を入れる

解体工事の日程が決まったら、お住まいの地域を管轄している電力会社にまず電話で連絡を入れます。

このときもっとも注意しなければいけないのは、供給停止依頼だけでなく設備も撤去してほしい、という点をはっきり伝えることです。

「現在の建物を解体工事するため、設備自体も撤去してほしい」と明確に伝えなければ、停止扱いだけになってしまうこともあるからです。

電力会社に伝える内容は、次のようなことです。

・電気契約者の氏名

・連絡者の氏名、連絡先電話番号、関係

・電気を停止・撤去する場所の住所

・撤去する時期

・お客様番号もしくは電気メーター番号

電気設備の撤去工事は、連絡してすぐに来てくれるというわけではありません。依頼後最短でも5営業日後ということがほとんどなので、できるだけ早めに連絡を入れないと解体工事開始に間に合わないという事態も起こりえます。

電気撤去工事当日

電気撤去の当日は、電気の停止後にメーターやアンペアブレーカーなどの電気設備・引き込み線などすべてのものを撤去します。

ここまで行ってようやく解体工事に支障のない、安全が確保された状態となります。

電気停止時の注意点とポイント

連絡するときは解体工事を行う旨を伝える

繰り返しになりますが、電力会社に電気停止依頼の連絡をする際には、必ず「解体工事を行うから、供給停止だけではなく設備撤去もお願いしたい」ということを伝えなければなりません。引越しなどで行う通常の電気停止手続きでは、メーター・アンプブレーカー・引き込み線などの撤去まではしないからです。

はっきりと設備撤去の希望まで伝えなければ、解体工事中の事故を防ぐという目的が果たされないため、十分な注意が必要です。

スケジュールには余裕を持って連絡する

前述しましたが、電気停止・設備撤去の依頼連絡はできるだけ早めに入れましょう。解体工事の開始に間に合わなければ、工事の延期や工期の延長も考えられます。

設備撤去も行う場合は、住人の立ち合いが必要になります。つまり住人=自分のスケジュールも考慮に入れなければならないのです。なおさら余裕をもって撤去の予定を組む必要があります。

とはいえ、解体工事直前まで解体予定である家屋に住むのであれば、あまりに早く電気を停止してしまうわけにもいかないでしょう。引越しなどのスケジュールも加味し、うまくバランスを取って日程を決めてください。

解体工事中の電気の使用はどうなるの?

電気設備をすべて取り払ってしまった現場で、もし工事中に電気を使う場合はどうなるかというと、たいていは解体業者が自前の仮設電気設備を用意します。

電気代については、業者と施主のどちらの支払いになるかは明確な決まりはないので、のちのちのトラブルにならないようにあらかじめ話し合っておきましょう。

ガスを止める手順

ガスの停止手順も、基本的には電気と同様です。

供給停止依頼の連絡を入れる

ガスボンベやガスメーター、毎月の請求書などに記載されているガス会社に、まずは電話で連絡を入れましょう。

このとき、やはり電気と同様に、「供給停止依頼」だけでなく「解体工事をするからガス管も切断・撤去してほしい」ということを伝えてください。

加えてガス会社に連絡を入れる際には、具体的に以下のことも伝えられるようにしておきましょう。

・撤去する場所の住所

・契約者の氏名および連絡先

・連絡者の氏名および連絡先

・撤去する時期

・お客様番号もしくはメーター番号

ガスは、供給の止まっていないガス管を重機などで損傷してしまうと、引火・爆発といった大事故を引き起こす恐れがあり、電気同様大変危険です。工事前の供給停止・撤去依頼の連絡は、施主として絶対に忘れてはいけない事項です。

ただし、小規模な解体工事であればガスの閉栓だけで問題がないということもあり、必ずしもガス管の撤去が必要ないケースというのもありえます。ガス管の場所などによっても左右されるのです。まずはガス会社の担当者に現地を見てもらって判断し、指示に従うといいでしょう。

ちなみにガスの閉栓やメーターの撤去のみであれば無料であることが多いのですが、一般的にガス管の切断や撤去には費用がかかります。頭に置いておきましょう。

解体工事中のガスについて

ガスは、電気と違って解体工事中に使用することはありません。そのため停止と撤去をしても、当日は何も問題がありません。

ただ、工事中に地中の予期せぬ場所からガス管が現れた、という事例はこれまでにもあることです。もしそういうことが起きた場合は、事故防止のためすぐに工事を一時中断し、ガス会社に連絡して指示を仰ぐようにしましょう。

まとめ

解体工事の際には、電気とガスの停止手続きには特に注意を払わなければいけません。きちんと設備撤去まで行わなければ、重大な事故につながる可能性が大きいからです。

また、停止の依頼連絡は早めに行わないと、解体工事の開始に間に合わないという可能性も出てきます。引越しの日程など、さまざまな予定と調整しなければいけないこともあるでしょうが、スケジュールには十分な余裕をもって、抜かりなく進められるようにしておきましょう。

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